相対性理論と哲学のテーマ

哲学(情報論、知識論)のテーマ

はじめに


『四次元時空の哲学』---相対的同時性の世界観  ここでは、相対性理論の四次元時空に関する哲学上の問題を扱います。
四次元時空という言葉はよく聞くが、それは、はたして実在しているものなのか、単に説明上便宜をはかったものにすぎないのかなどの問題に興味をもっておられる方は、一読願えたらと思います。

 アインシュタインは、若い頃、光を光の速さで追いかけたら、 光はどのように見えるのだろうかと考えていたと言われています。
しかし、事実は、光をどれだけ速く追いかけても、その光の速さは、 光の速さのまま変らないということでした。
 秒速30万kmの光を秒速30万kmの速さで追いかければ、従来の常識からすれば、それは止まって見えるはずですが、光はもとの秒速30万kmのまま、全然遅くもならないのです。  この事態をどう理解したらよいかという問題に、アインシュタインは、
光の速さというのは、座標系に依存しない法則、定数なのだと割り切って、 その代わり、時間・空間の概念の方を根本的に変えてしまうことで解決しました。
 彼の相対性理論が提唱されて、ほぼ1世紀が経とうとしております。
その理論の意味するところは、我々の常識的な概念と掛け離れているためか、
なかなか、一般に浸透しきれていないように思われます。
 いまでも、相対性理論は実は間違っているのではないかという議論が、 ネットを賑わしているのを見ても、それは感じさせられることです。
 これは、相対性理論の提起する世界像の持つ意味が、未だに定めきれて いないからなのではと思います。
 私は、相対性理論の根本は、「同時刻の相対性」の発見にあるという観点で、 相対性理論の提起した哲学上の問題に言及を試みました。
 ここに掲載する論文のいくつかは、かつて、季報『唯物論研究』という哲学の雑誌に掲載したものです。
 また、一般相対性理論について、私なりの理解レベルで、解説を書いてみました。
 他に、アキレスと亀のパラドックス、双子のパラドックスを扱った論文も掲載してます。
 それと、ミンコフスキー時空図をマウスで操作しながら、特殊相対性理論の示す内容を実感して確かめることのできるJavaのツールを作ってみました。是非、いじってみて下さい。
 さらに、私の考えを一冊の著書にまとめて、新泉社より、出版も致しました。こちらもお読みいたたければ幸甚です。



(光円錐) 
  • (著書)『四次元時空の哲学』 
    (A PHILOSOPHY OF THE FOUR-DIMENSIONAL SPACE-TIME)
  •  21世紀叢書『四次元時空の哲学
       ---相対的同時性の世界観』 新泉社(2007/10/26)
       「はじめに」 が読めます。(PDF)


  • チャート方式 ・ 『四次元時空の哲学』
       入門
     

  •  拙著『四次元時空の哲学』を思いきって、フローチャートを使って概説しました。


  • 「相対性理論と同時刻の相対性」
    (The Relativity of Simultaneity as the Essence of the Relativity)
    (「季報唯物論研究」第48号)
  •  ここでは、「同時刻の相対性」という概念を基軸にして、特殊相対性理論を解説し、そこから、決定論上の問題提起をします。

  • 「同時刻の相対性をめぐる諸問題」
    (Some Problems about The Relativity of Simultaneity)
    (「季報唯物論研究」第51/52合併号)
  •  こちらの論文で、哲学上の問題を総括的に提起します。
     メインの部分です。

  • 「重力を思う
     (落ちて行く実感からの一般相対性理論) 」

    (Thinking about the Gravity;the General Theory of Relativity from feeling falling)
  •  一般相対性理論の解説を素人なりに、試みました。
    実感を伴う形で、一般相対性理論の意味に迫れないか
    という問題意識で、書いてみました。

  • 「アキレスと亀」
    (Achilles and the tortoise - A relativistic consideration about Zeno's paradox)
  •  ゼノンのパラドックスについての相対論的考察です。
     (『四次元時空の哲学』の第2章の内容に相当します。)

  • 「双子のパラドックスについて」
    (The Twin Paradox)
  •  双子の兄がロケットに乗って宇宙旅行したら、地球にいる弟に比べて年の取り方が少なかったことになってしまうという有名な「双子のパラドックス」をめぐる問題についての論文です。論争スタイルで書いてあります。


  • 「光時計の時空構造」
    (The space-time structure of the Light Clock)
  •  「同時刻の相対性」、「時計の遅れ」、「距離の収縮」という特殊相対性理論の三大基礎をとことん、図解します。相対性理論の解説によく用いられる光時計の光の進行を時空構造から立体的に把握することによって、ありがちな相対性理論に対する誤解、無理解を解消することを目的に展開しました。


  • 「ミンコフスキー時空座標系の動き」(JavaScript)
    (Movement of the Minkowski space-time coordinates)
  •  Javaで作られた、動かすことのできる、Minkowski時空座標です。
     印刷された静的グラフだけでは、なかなかイメージできなかったことも、これを使って、クリアになります。

  • 「時空の存在論・国際会議」
    (International Conference on the Ontology of Spacetime)
    (「季報唯物論研究」第95号、「季報唯物論研究」第97号)
  •  「時空の存在論・国際会議」が2004年から、2年おきに開催されております。第2回(2006)に参加してみました。



           ☆関連して、是非とも参照してほしいサイト

    「筆者略歴」



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