ミンコフスキー時空座標系の動き

座標系A 座標系B

連動

原点移動 サイズ変更 傾き(速度) 同時・同地点ライン

光速= A系とB系との相対速度 v/c=
図形を表示するには、canvasタグをサポートしたブラウザが必要です。 applet版をお試し下さい。

<解説>

 (特殊)相対性理論を理解するには、やはり、アインシュタイン(Einstein)の先生だった、ミンコフスキー(Minkowski)の考案した、時空座標を理解することが不可欠である。
だが、印刷物等に書かれた静的な図だけを見てこれを理解するのは、なかなか骨が折れることである。ここでは、座標軸や、座標系の原点等を自由に動かして、時間軸と空間軸の動きを実感的に把握できるツールを提供する。
 
 このグラフで、斜めに交差する赤い2本の直線は、光の世界線を表している。
 黒い直線は、時間軸空間軸を表す。マウスに感応する縦方向のラインが時間軸である。
 青い直線は、それぞれの座標系での同時刻のラインを表している。(空間軸に並行なライン)
 緑の直線は、それぞれの座標系での同地点のラインを表している。(時間軸に並行なライン)

(光円錐)  時空は、実際には4次元であるが、単純化のため、空間の次元は1次元にした。空間を2次元にした場合は、時空図は、光の世界線を垂直の軸を中心にして回転させたような立体面で、区切られた世界になる。この立体面は、2つ円錐形がの上下に向き合ったような形をしていて、光円錐と呼ばれる。
空間を3次元にした実際の4次元時空は、作図は我々には不可能で、数学的、形式的にしか扱えない。光円錐の「断面」の円(楕円)が、超立体の光円錐の球面(回転楕円体面)に相当しているような世界である。
 しかし、ここで扱うのは、あくまでも、2次元の時空図である。

<操作方法>

以下のコントロールで、操作モードを設定し、マウスを使って、グラフを動かす。

座標系選択ラジオボタン

ここには、A,B 二つの座標系が用意されている。A,Bどちらの座標系を操作対象にするかを、選択ラジオボタンから選ぶ。

「連動」のチェックボックス

両座標系は、単独で、操作することも、片方を操作しながら、もう一方を連動させて操作することもできるようになっている。連動モードにしたい場合は、「連動」のチェックボックスをチェックしておく。
連動モードが、具体的にどのような動きをもたらすかは、後述するが、原点、時間軸、同時ラインのいずれを操作対象にするかで、異なる。

ラジオボタン

A,Bいずれかを選択したら、次に、その座標系の中のどの部分を操作するかを以下から選択する。

  • 原点移動

  • マウスの押さえた位置に座標系の原点が移動する。
     (連動モード)

    A,B間の原点の距離を固定させて、両座標系が並行して動く。
  • 傾き(速度)

  • 時間軸の傾きをマウスで変化させられる。これは、座標系の(例えば直交系に対する)速度を意味する。光の世界線を超えて傾けることはできない。(光速は超えられない)
    空間軸は、時間軸と連動して傾きを変える。(光速が一定になるように)
     (連動モード)

    A座標系とB座標系との相対速度を固定させた状態で、相手の座標軸の傾きも連動して変える。光速に近づけば近づくほど、傾きの変化のしかたは鈍くなる。AとBとの関係はいずれを直交系に選ぼうと、あるいはともに斜交系にしようとも、それは表現上の違いであって、物理的には同等である。
  • 同時・同地点ライン

  • 空間軸に平行な線、その座標系にとっての同時刻のラインの位置をマウスで移動できる。
    さらに、時空軸に平行な線、その座標系にとっての同地点のラインの位置もマウスで移動できる。
    なお、以下の操作で、同時ライン、あるいは同地点ラインのいずれかを固定させて、一方のみを移動させることができる。
     「T」のキーを押すと、同時刻ラインの固定モードのon/offができる。
     「X」のキーを押すと、同地点ラインの固定モードのon/offができる。

    (同時ライン、同地点ラインに接する双曲線も描画する。
     原点からの等時間、ないし、等距離にある点の軌跡を表す。
     (なお、基準の双曲線の表示/非表示は「H」のキーを押して切り替える))

     (連動モード)

    同時刻のラインが、0時から(まで)の時間がA系、B系ともに等しくなるように、描かれる。互いに相手の時計が遅れていることがわかる。
    また、同地点のラインも、0地点からの距離が同じになるように両座標系を連動させられる。互いに相手の尺度が縮んでいることがわかる。

  • サイズ変更

  • これは、グラフ全体の表示範囲をマウスで変更させたい場合に選ぶ。物理学的な意味はない。

    光速の値を選択するボックス

    これは、光の世界線の傾きを変化させる。通常は、「光速=1」にしておく。光速の値(すなわち、空間単位の時間単位にたいする比の値)が大きくなると、ガリレイ変換の支配する世界に近づいていくことを、この選択ボックスを使って確かめることができる。

    (その他)
     「A系とB系との相対速度」欄に、A系とB系との相対速度を直接、数値入力ができる。
       (ただし、光速=1の単位で、-1.0より大きく、1.0より小さい実数にする)

     SHIFTキーを押しながらマウスをクリックすると、文字・数値情報の表示位置を変えられる。
     「G」のキーを押すと、格子(grid)表示モードの切替ができる。 (なし→A系→B系→両方→) ピッチは50


    <表示される文字・数値情報について>


  • 直交系でのA-B間(t,x) = (###0, ###0)
       座標系AとBとのそれぞれの原点の間隔を直交座標系で測った数値

  • B系でのAの原点座標(t,x) = (###0.000,###0.000)
    座標系Aの原点の位置を座標系Bで表現した座標値
      s*s = - t*t + x*x = ###0.000 (s=###0.000)
          そのときの時空計量(負なら、AとBは時間的位置関係、正なら空間的位置関係)


  • A系でのBの原点座標(t,x) = (###0.000,###0.000)
    座標系Bの原点の位置を座標系Aで表現した座標値
      s*s = - t*t + x*x = ###0.000 (s=###0.000)
          そのときの時空計量(B系でのAの場合と同じ値を示すはず)


  • Aの直交系速度 = #0.000000000

  • 座標系Aの直交系に対する速度


  • Bの直交系速度 = #0.000000000

  • 座標系Bの直交系に対する速度


  • AのB系速度 = #0.000000000

  • 座標系Aの座標系Bに対する速度


  • (それぞれの)γ = #0.000000000  1/γ = #0.000000000

  • 上記各速度(v)に対応した、γ = 1/√(1 - v2) の値、およびその逆数
    (時間単位の伸び率。
     ちなみに、静止質量:m0 、運動エネルギー:E とすると、m0 * (γ - 1) = E / c2 である。)


  • Aの時刻 = ###0.000  Aの位置 = ###0.000

  • 座標系Aでの同時刻ラインが指し示している時刻、同地点ラインが指し示している位置


  • Bの時刻 = ###0.000  Bの位置 = ###0.000

  • 座標系Bでの同時刻ラインが指し示している時刻、同地点ラインが指し示している位置




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